■ 球根保存法
休眠期における球根の保存法の紹介です。
鉢のまま管理すれば面倒も無いのですが,今回は掘りあげた場合に関して書きます。
@ 掘りあげた球根と殺菌して湿らせた水苔を適度に乾かす。
A 僅かに湿り気が残るくらいのタイミングでチャック付きポリ袋に詰める。
B そのまま凍らない暗所(玄関や無加温フレーム内)に保管。
以上です。
水苔は ”触るとカサカサしているが,若干湿り気が感じられる” くらいが良いようです。
完全に乾燥させた状態で保管すると球根が干からびますし,逆に水気が多すぎても腐りの原因になります。
また,水苔の代わりにティッシュ等を用いるとカビが生じ易くなりますので,注意して下さい。
ウチョウランは健全球でしたらカッラカラ,サギソウやイワチドリは湿り気味に保管するのがセオリーです。小さい球根はウチョウランでも、やや湿り気がないと干からびてしまいます。
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■ ビン出し苗の栽培
近年はランの無菌培養が盛んになり,ビン出し苗を入手する機会も多くなってきました。
そういった苗は,山採りの傷んだ苗よりよっぽど健康なはずですが,何故かうまく育たないという話をよく聞きます。
その最大の原因はたいてい "無肥料で管理してしまうこと" だそうです。
ビン内の培地は1000倍に薄めたハイポネックス肥料そのもの。
そんな中で暮らしていた植物を,栄養も何もない鹿沼土で植えて放置すれば,当然飢えて死んでしまいます。
ビン出し一年目は少なくとも週一位の頻度で1000〜2000倍の肥料を与え続けた方が良いようです。
小さい苗だからといって遠慮は無用。ジャンジャン肥料をあげましょう。
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■ 沖縄の植物も暑さはキライ?
南国の植物だからといって,猛暑を好むとは限らない・・・というよりも,多くの亜熱帯性植物は極端な暑さを嫌います。
これは,日本の亜熱帯地域が "夏涼しく冬暖かい気候" をしているためです。
実際,沖縄県では熱帯夜や猛暑日は年間を通しても殆ど有りません。
また,南方のランの多くは沢沿いの林内や山地を好みます。
そういった土地では,低地よりも更に気温が上がりにくいものです。
一方,東京の街中では,夏場はヒートアイランド現象などによってしょっちゅう40℃近くまで到達するうえ,夜間も気温は殆ど下がりません。
沖縄の植物でも,東京の夏は暑くてたまらないワケです。
写真は屋久島の宮之浦岳。
屋久島は亜熱帯の島ですが,宮之浦岳の山頂付近は亜寒帯に近い気候になります。
産地が南方だからといって,その植物が暑さを好むとは限らないという一例です。
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■ 耐寒性に関して
まず最初に,凍結を喜ぶ植物は存在しません。
植物は凍ると多かれ少なかれダメージを負います。
これはどんな種でも同様ですが,その度合が植物種や状況によって異なるため,表面的に寒さに弱い,あるいは強い種があるように見えるようです。
一般的に,球根を作らず根茎で越冬する種は凍結に弱いものが多いです。
例えばカキランなどは,植え替えした後凍結するとかなりの確率で枯死します。
また,林床の植物なども凍結をとても嫌います。
自然下で林床の腐葉土が凍ることは滅多にないため,そういった環境に生育する植物は凍結への耐性をあまり持たないようです。
そのため,カモメランなども凍結すると大体枯れます。
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■ シュスラン属の栽培
シュスランの仲間の栽培においては,湿度保持と通風,そしてナメクジからの隔離が最重要課題と言われています。
ですが,長期的に見れば,実は植替えも非常に大切な要素です。
右の写真は鹿沼土で植え込んで2年目の状態です。
目詰りした用土を嫌ったシュスランが鉢から逃げ出しています。
間隙の多いふわふわした土壌環境を好むシュスランにとって,硬く詰まった土よりは,空気中の方がまだマシという判断なのでしょう。
錦蘭を栽培されている方によると,シュスランの仲間は年に2回の植替えを行うのがベストだそうです。
また,ネジバナも同様に、古い用土を異様に嫌う傾向があるようです。
このあたりの植物を集めるのであれば,高頻度の植え替えをこなす覚悟は持っておくべきかも知れません。
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