寒冷地のラン
- Cool-Growing Orchids -


寒冷地のランには可憐なものが多く,愛好家が求め憧れる種が多数存在します。
しかし,冷涼な環境に生育するこの仲間は,低地の雑菌や暑さに耐えることができません。
栽培は諦め,深山にひっそりと咲く姿を楽しみましょう。



和名 学名 栽培の可否 耐暑性 耐寒性 増殖率 備考
ノビネチドリ G. camtschatica × × 1 高山や高緯度地域など,冷涼な地域に生育する。用土や鉢の工夫では焼け石に水。
個体数が多いため,流通量もそこそこあるが,低地での栽培はまず不可能。
テガタチドリ G. conopsea
ハクサンチドリ D. aristata
ニョホウチドリ P. joo-iokiana (2?) 中部地方の亜高山〜高山帯に生育する。
気温が20℃後半に至ると直ぐに痛んでしまう。
元来は増殖率のいい植物だそうなので,冷温室があれば栽培できるのかも知れない。
オノエラン
写真解説
O. fauriei 1 分布域が限られ,自生個体数も少ない。あらゆる観点から手を出すべきではない種。
栄養繁殖せず,高温・乾燥・過湿等全てに弱いため,寒冷地でも長期維持は不可能。
フジチドリ A. fujisanesis
ミヤマモジズリ
写真解説
N. cucullata 個体数は多いランだが,めったに分球せず,暑さが苦手。
寒冷地でも長期維持は難しい。
アオチドリ C. viride var. virescens 菌への従属性が高いうえ耐暑性が無く,性質も非常に弱い。
イチヨウラン
写真解説
D. ringens 1.5
コイチヨウラン E. schmidtii
ホザキイチヨウラン
写真解説
M. monophyllos 1 名前に "イチヨウラン" とあるが,ヤチラン属。イリオモテヒメラン等の近縁種。
全国の高山帯に広く分布している。
暑さにやや弱く,栽培下での性質は落葉性リパリスに近い。
ホテイラン
写真解説
C. bulbosa var. speciosa 個体寿命が短く,自生地においても開花した株は枯れることが多い。
無菌培養は可能だが,ビンの中でも数年で枯れてしまう。
ヒメホテイラン C. bulbosa
カモメラン
栽培解説
A. cyclochila 2 寒冷地の小型野生ランの中では唯一栽培可。生産品が少なからず流通している。


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