覆輪
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「銀河」
(ぎんが)
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サギソウの代表的品種。
比較的派手な白覆輪で,知名度・流通量共に第一位を誇る。
「銀河」の銘は昭和30年に神代植物園の山田菊雄氏によって付けられた。
栽培の歴史は古く,江戸時代に発刊された『草木錦葉集』にも収録されている。
花期は8月中旬から下旬。
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「新銀河」
(しんぎんが)
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従来の「銀河」よりも鮮明で美しい斑を持つ,という触れ込みのサギソウ。
また,「銀河」に比べやや小輪で,唇弁の切れ込みにも特徴があるとのこと。
どんな来歴の個体なのかは不明。
ちなみに,サギソウの白覆輪は「彗星」や「銀河」の他にも多数の系統が発見されている。
これらの個体が区別されて流通してきたのかは疑問が残るところであり,現在「銀河」と呼ばれている品種も全てが同一個体由来のものかは疑わしい。
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「彗星」
(すいせい)
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切れの良い白覆輪の銘品。昭和後期、三重県の伊賀地方にて発見された。花期は銀河よりも遅く、斑は比較的派手である。
追記(2014.01.27):複数の文献を確認してみたところ,斑の幅を「銀河」よりも広いとしているもの,狭いとしているもの,
両方が存在することが判りました。
結局,斑だけでは「銀河」と差別化出来ない品種のようです。
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「輝」
(かがやき)
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黄覆輪の代表格。
スッキリとした斑で,銀河と対にして紹介されることも多い。
品のある控えめな柄に加え,花姿も端正で,戦前から愛好家の間で作り続けられている。
花期は黄覆輪品種の中では最も早く,8月上旬から中旬。
柄は「金星」に比べると暗みにくい。
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「金星」
(きんせい)
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黄覆輪の銘品。
斑はやや緑がかった黄色。
比較的派手な芸で,しばしば蹴込み状になる。
出芽の時期は発色が良いが,成長するにつれ褪色してしまう。
花期は8月中旬。「輝」に比べ葉元の斑の幅が広い。
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「光」
(ひかり)
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黄覆輪の古い銘品。
明るい色の斑で,黄と言うよりクリーム色に近い。
そのクリーム色も出芽時から次第に褪色していき,開花期には白覆輪と同様の色合いになる。
基本的に地味な柄だが,しばしば縞斑気味に変化したりと面白い。
花期は遅く,8月下旬から9月上旬。
花型は首が長い独特なもので,覆輪斑サギソウの中では最も優雅と評される。
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「曙」
(あけぼの)
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後暗みの黄覆輪。
「金星」に近い柄と特徴を持つ。
似た品種としては「金閣」などが存在するが,「曙」の方がやや早く開花する(らしい)。
なお,本品種の本来の特徴は上述のものだが,近年は黄曙斑や紺覆輪などでも「あけぼの」と呼ばれる個体が存在するようである。
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「金河」
(きんが)
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この銘の黄覆輪をしばしば見かけるが,恐らく「金星」及び「銀河」を混同したものと思われる。
本当に「金河」という品種が存在するのかは不明。
追記(2014.12.20):「金河」とされる個体を実際に見たのですが,斑も花も「金星」と同様のものでした。
比較栽培していなので確かなことは言えませんが,どうやら主に「金星」が本品種として出回っているようです。
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