ダイサギソウ  Habenaria dentata
特徴
  茎は高さ30〜50a前後,先端にやや密に10個前後の花をつける。 花は白色。唇弁は3裂し,側裂片の先端は細かく裂ける。
分布
  本州(千葉県以西)・四国・九州・沖縄県
開花期
  8月〜10月
自生環境
  暖温帯〜亜熱帯の日当たりの良い草原に生育する。
備考
  絶滅危惧IB類(環境省)
現状
  分布域が広い割に自生地・自生個体数は共に少ない種です。 元から個体数が少ないことに加え,園芸目的の採取・生息地の開発等によって極めて稀な植物になってしまいました。
  現在,沖縄県・鹿児島県・四国地方原産の個体が無菌培養により生産され,流通しています。 地元の様々な団体によって保護・増殖などの活動が活発に行われているようです。
栽培

● 管理
  やや乾き気味の環境を好みます。 過湿にすると茎の基部の腐りから倒れてしまうことがあるので,水は少し辛めに育てた方が良いでしょう。 ただ,出芽の時期に水を切らすと,新根の伸長が止まってしまうことがあるので要注意です。
  草原のランですので,日光は強めに採ります。 真夏の直射光は避けますが,基本的には遮光無しでも平気です。 また,肥料と高温も大好きで,30℃を超える夏の猛暑もへっちゃらです。
  冬季は鉢ごと,もしくは球根のみを掘りあげて凍らない場所で保管します。 休眠期でも寒さに当たると一発で枯死するので注意して下さい。 また,肥培が過ぎると球根が巨大化し,休眠期に腐りやすくなります。
  晩春,芽出しの時期には出来るだけ暖かい場所で管理します。 関東地方であれば,他の球根性地生ランと同様に管理しても特に問題ないのですが,できるだけ芽出しを早め,生育期間を長く持ってあげたほうが作は良くなります。 同じように,晩秋にも多少加温し,休眠を先延ばししたほうが出来が良いです。 特に南方の個体は花期が遅いため,秋に加温しないと花が見られないこともあります。
  以前山採り苗ばかりが流通していた頃,ダイサギソウは栽培難種とされていたようです。 しかし,近年流通している実生苗は大変丈夫で,近頃では野生ランとしてはむしろ栽培容易な部類と認識されています。

● 植え込み
  鉢も用土も特に選びません。個人的には過湿になりにくい駄温鉢に通常の砂植えがお薦めです。 水苔単用の方が調子が良い,と言われる方も多いので,自分の管理に合った植え込み方を選べば良いと思います。

● 増殖
  栄養増殖率に関しては,個体によって良し悪しの差が激しいようです。 毎年2〜3倍に増殖するものもあれば,何年経っても1球のままの系統もあります。 大抵の場合,生産品は殖えがよく,野生採集品は増えが悪い傾向があるため,購入の際は必ず,生産品を選ぶよう心がけましょう。 また,植え込み素材を砂から水苔に変えたらいきなり増え始めた,なんて話も聞きますので,増えが悪い場合は栽培方法を工夫すると良いかも知れません。
  実生は容易な部類で,鉢蒔き等によって子苗がカンタンに得られます。 苗の成長も早く,上手くいけば播種から2〜3年で花を見ることも可能です。 ただ,採種には花後種子が成長するまで,ある程度の加温が必要になります。 近交弱勢が無く,自家受粉を行うため,花を切らずに暖かく管理しておけば,晩秋〜冬には健全な種子が得られる筈です。
                 
2015.4.29  晩春にようやく出芽 2015.5.19  葉の縁は白く彩られる 2012.11.18  2球から5球に増殖した

品種
白鳳獅子
  沖縄県で発見された獅子咲き品種。 芸はやや弱いものですが,サギソウにおける「飛翔」と同様の芸を持ちます。 花期は遅く,関東では11月前後になる場合も多いです。 芽出しの時に加温していないと,開花に至る前に休眠してしまうことも。
  長らく分球のみで維持・増殖されてきましたが,近年ようやく同芸の実生苗が流通し始めました。
徒労
  糸覆輪の古い銘品。 ダイサギソウの葉には元々白い縁取りが入るため,斑があまり目立たないことから付いた銘です。 芽出しの時期には,捌け込み斑のように目立つ柄が出ることもしばしばあります。 貴重な変異個体ですが,増えは悪く,入手困難です。


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