和名
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学名
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分布
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概要
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カラフトアツモリソウ
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Cypripedium. calceolus
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礼文島
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北半球の亜寒帯に広く分布しているアツモリソウだが,日本では礼文島のみに生育する。 現地では未だ数株しか発見されておらず,人為的な移入の可能性が高い。 レブンアツモリソウとの交雑が生じており,遺伝子汚染が憂慮されている。
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ドウトウアツモリソウ
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Cypripedium. shanxiense
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釧路・北見地方
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以前はカラフトアツモリソウと同一種とされていたが,近年区別されるようになった。 北見地方には複数の産地があり,ロシアのものの隔離分布と見られている。生産品が比較的安価に入手可能。
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ヒタチクマガイソウ [写真解説]
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Cypripedium. japonicum var. glabrum
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茨城県
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クマガイソウの変種。基本種の茎や花序には剛毛が密生するが,本亜種は無毛。 1980年,茨城大の鈴木昌友博士が発表した。 茨城県内の仏頂山・加波山・鶏足山・常北町において記録がある。
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ソノハラトンボ (クニガミトンボソウ)
[写真解説]
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Platanthera sonoharai
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沖縄本島・西表島
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沖縄県に固有のトンボソウ属。渓流沿い,それも氾濫時に浸水するような環境に生育する。 花はトンボソウに似るが,葉が明らかに細い。和名は発見者である園原咲也氏を記念したもの。 平成14年に国内希少野生動植物種に指定された。移動・販売・譲渡は全て禁止されている。
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タコガタサギソウ (ヒメトンボ) (ヒュウガトンボ) [写真解説]
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Habenaria lacertifera
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宮崎県・沖縄県
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タカサゴサギソウに似るが,花が白色で小さく,唇弁の側裂片が3角形で非常に短い。 また,花期が8〜9月であることで区別できる。 国内において現存する自生個体は宮崎県の数十株のみ。国外では台湾等にも分布する。
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ヒゲナガトンボ
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Habenaria flagellifera var. yosiei
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宮崎県
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ムカゴトンボの変種。唇弁の側裂片が10〜12mmあり,基本種よりも顕著に長い。 1936年に北郷町で発見されたものの,その後自生の報告はなく絶滅したと思われていた。 1992年に串間市で5株,2001年には宮崎市で10株が再発見され,国内における所在が明らかになった。
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タイワンアオイラン
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Acanthephippium striatum
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屋久島
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日本国内ではほぼ野生絶滅。タイワンショウキランの仲間であるが,花はより美しい。 かつては屋久島の照葉樹林下に見られた。栽培品が僅かに現存するが,入手はほぼ不可能。
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ヒメカクラン [写真解説]
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Phaius mishmensis
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沖縄島北部 石垣島・西表島
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巨大になったトサカメオトランのような草体。花は余り開かないが,淡紅色で美しい。 未だ健在な自生地は数カ所のみ。栽培品から少量の実生苗や増殖苗が得られている。
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ヒメクリソラン
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Hancockia japonica
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屋久島
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写真を見ることすら難しい地生ラン。故初島博士により,屋久島のモッチョム岳にて発見された。 円錐形の偽球茎を持ち,葉は卵状長楕円形で長さ約5a,2〜3個がやや離れて付く。 花茎は弧状に湾曲して上向し,茎頂に淡紅色の花を1つ付ける。 中国南部に自生する Hancockia uniflora が近縁であると思われる。 今でも僅かな自生個体が確認されているが,照葉樹林伐採や鹿の食害のため風前の灯。
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ヒメシラヒゲラン
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Pristiglottis rubricentra
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奄美大島
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日本で唯一のヒメシラヒゲラン属のラン。奄美大島の常緑樹林下に極僅かな個体のみが確認されている。 イナバラン属に近縁で,花の形も似ている。唇弁基部には赤い斑点が入り,小さな妖精のようで美しい。 葉はヤクシマヒメアリドオシランに似るが,アントシアンが強く,色は紫褐色に近い。
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ヒトツボクロモドキ
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Didiciea cunninghamii
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日本全国?
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ヒトツボクロに非常によく似るが,唇弁が花弁化しており,距が退化している。 いわゆる「六弁花」のヒトツボクロ。 ヒトツボクロ属とは異なり,ヒトツボクロモドキ属のランとされている。 イソマカキランやキリガミネアサヒランと同様の変異であり,ユリ科への先祖返りの一型と見られている。
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