和名
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学名
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栽培の可否
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耐暑性
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耐寒性
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増殖率
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備考
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マメヅタラン
[写真解説]
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B. drymoglossum
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(△)
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◎
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◎
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1.2
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環境の変化に非常に弱く,湿度や光量が不足するとすぐに枯死する。 山採り品ばかりが流通しているため,安易な購入は控えるべき。
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ムギラン
[写真解説]
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B. inconspicuum
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(◎)
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1.5
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小型な割に乾燥・強光・低温に強く,殖えも良い。 近畿以西では今でも普通に見られる。
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ミヤマムギラン
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B. japonicum
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(△)
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○
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乾燥・強光が苦手で水分を好む。 斑入りや花色の変わったものが多数選別されている。
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クスクスラン
[写真解説]
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B. affine
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○
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△
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1.2
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寒さに当てると直ぐに葉が痛むので注意。5℃以下にはならないよう管理する。 見た目の割に強光を好み,直射下でも旺盛に生育する。 外国産のバルボフィラムが本種として販売されていることがしばしばある。
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シコウラン
[写真解説]
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B. macraei
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根が細く乾燥に弱いので,鉢植えが無難。近年は実生品が多く出回っている。 クスクスラン等と同様に南方系の種であるため,霜や極端な低温は避ける。
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タネガシマシコウラン
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B. macraei var.tanegashimense
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オガサワラシコウラン
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B. boninense
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○
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多少の耐寒性が有り,無加温フレームでも問題なく越冬する。 但し,冬季に加温しないと,極端に花付きが悪くなる。 一般的に強健な種だが,増殖率は個体差が激しい。
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イリオモテラン
[写真解説]
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T. ionosma
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×
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1
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低温に非常に弱く,10℃を下回る状態が続くと葉をふるって枯死する。 無菌培養により多くの苗が生産され,流通している。
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コウトウヒスイラン
[写真解説]
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V. lamellate
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実生苗が大量に流通しているが,ルーツは不明。 国内では魚釣島でのみ記録があり,販売品の多くは台湾由来のものだと思われる。 イリオモテランと同じく,低温には非常に弱いので注意。
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ジンヤクラン
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A. labrosa
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南方系の大型着生ラン。流通品の殆どは外国のもの。 大型種かつ耐寒性が非常に低いため,栽培には温室が必須。
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リュウキュウセッコク [写真解説]
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E. ovata
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△
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1.2
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希少種だが丈夫で良く殖える。根が細い割に乾燥に強い。
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オオオサラン
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E. corneri
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(○)
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1
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バルブがあまり残らず,なかなか増殖しない。鉢蒔きで稀に実生が得られる。 唇弁は白色が基本だが,南西諸島では鮮やかな紫色の個体が見られる場所もある。
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オサラン
[写真解説]
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E. japonica
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◎
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◎
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1.5
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寒さに強く,よく殖えるが,極端な乾燥は嫌う。 素心花や斑入りが選別されている。
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セッコク
[写真解説]
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D. moniliforme
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最も馴染み深い着生ラン。数多くの変異個体が選別され,広く普及している。
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オキナワセッコク
[写真解説]
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D. okinawense
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○
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特定国内希少野生動植物種。案外低温に強く,無加温でも平気な個体が多い。 近年は販売許可を得た業者により,多くの実生苗が生産・販売されている。
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キバナノセッコク
[写真解説]
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D. catenatum
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△
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1.2
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セッコクよりも寒さ・乾燥に弱い。 冬季に加温しないと春に新芽が出なくなることも。
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カヤラン
[写真解説]
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T. japonicum
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×
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◎
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1
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全く殖えないうえに気難しい。長期にわたり同一個体を維持するのは不可能に近い。 根が空気中に露出していない状態を嫌うため,水苔も利用しにくい。 無菌培養は容易。種子の飛び込みで,ヘゴ板からの発芽が見られることもある。
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ケイトウフウラン
[写真解説]
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T. saruwatarii
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△
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南西諸島の稀産種。各団体によって実生が生産されているが,流通は殆ど無い。 同属のカヤランよりは育てやすいが,栄養繁殖はほぼ期待できない。
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ハガクレナガミラン
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T. fantasticum
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ボウラン
[写真解説]
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L. teres
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(◎)
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1.1
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分布は紀伊半島以南だが,大抵の個体は寒さに強い。全体的に非常に強健。 同属のタカサゴボウランは凍結すると枯死する。
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ヨウラクラン
[写真解説]
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O. japonica
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(△)
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◎
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○
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1.4
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環境が合うと良く殖えるが,長期の維持は難しい。定期的な植え替えが大切。
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オオバヨウラクラン
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O. makinoi
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△
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ヨウラクランより寒さに弱いが,比較的丈夫でよく殖える。
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モミラン
[写真解説]
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G. toramanus
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◎
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カヤランよりは栽培容易だが,やや気難しい。枝分かれでよく栄養繁殖する。 無菌培養が容易で,増殖品のシェアもそこそこ大きい。
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ベニカヤラン (マツラン)
[写真解説]
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G. matsuran
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1
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モミランと同様に気難しい。実生での増殖も為されているが,採集品の流通は多い。 緑花タイプと紅花タイプが存在する。
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カシノキラン
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G. japonicum
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(◎)
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○
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1.2
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ナゴランと同様に栽培できる。 しばしば脇芽から増殖し,作り込めば株立にもなる。
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ナゴラン
[写真解説]
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S. japonica
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◎
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1
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殆ど栄養繁殖しないが,滅多なことでは枯れない。 実生苗が大量に販売されている。
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フウラン
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N. falcata
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◎
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1.2
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日本を代表する着生ラン。園芸採集により自生は稀になった。 古くから様々な銘品が流通している。
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ムカデラン
[写真解説]
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C. scolopendrifolium
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(◎)
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1.5
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姿かたちが面白く,花も可愛い魅力的な種。暑さ・寒さ・乾燥,何れにも強い。 盗掘被害が大きい種でもあり,採集品は購入しないよう努めたい。
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クモラン
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T. glandulosum
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×
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1
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何故か栽培できないランの代表。生木から外れると成長が止まってしまう。 フミン酸の噴霧や共生菌の利用等,様々な方法が試されているが,成功例は僅か。 結局,最大のポイントとなるのは環境づくりである。
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